大戦末期の潜水艦を描く

8月15日の日曜洋画劇場で終戦記念として『真夏のオリオン』が放送されていました。

で、それを見ちゃうと、同じ終戦間際の日本海軍最後の砦となる潜水艦の話でも随分趣の異なる作品である、僕の大好きな映画の一つ『ローレライ』を見ないわけにはいかないのでＲ

『真夏のオリオン』は史実を描いているかのような感じのストーリーとリアルな描写で、CGもあまり使われて無いように思います。
対して、完全にSFになっちゃってる『ローレライ』では、艦船はほぼCGで描かれ、おそらくわざとそれとわかるような質感にしているので、どこかアニメチックな画面作りになっています。

同じ“時”を描きながらこうも違った作品が出来上がると言うのも面白いですねぇ～。


あらためて『ローレライ』と言う作品を見てみると、アニヲタや特撮ヲタにはたまらない設定や演出が満載であることを再認識させられます。


まず、なんと言っても“ローレライ・システム”である。
このナチスが開発した超知覚システムとそれを稼動させる少女“パウラ”（香椎由宇）という設定は『ガンダム』の“サイコミュ”及びニュータイプ少女“ララァ”そのものである。

そして下写真左のエロい格好は、『エヴァ』の包帯少女“綾波レイ”そのものであるし、

右のローレライ稼動時に着用するスーツは昔の『ゴジラ』に出てくる“Ｘ星人”をも髣髴させる。
※正直これらの格好を見て香椎由宇に惚れたぜ！　そういうヲタクどもは多いに違いない！


“ローレライ・システム”のアンテナとなる“N式潜水艇”は、潜水艦本体“伊507”からの雑音というか雑念を遠ざける為に本体から少し離れた位置（ケーブルで繋がっているよ）で運用されるのですが、その姿はまさしく『ラピュタ』で海賊ドーラ一家の飛行船“タイガー・モス号”から引き出されて潜望鏡のような役割をする“凧”と同じである。
さしずめ妻夫木聡が“パズー”で、香椎由宇が“シータ”ってわけだ。
最後に本体から切り離されて２人で戦場から脱出していく様も、崩壊するラピュタから脱出する姿とシンクロしてしまう。


また、アメリカの何十隻という大艦隊に単艦で対峙し翻弄する“伊507”の姿は、ガミラス艦隊をたった一隻で打ち破った『宇宙戦艦ヤマト』に相当する。
米駆逐艦との一騎打ちを描く『真夏のオリオン』の方がリアルで手に汗握るけど、『ローレライ』のたった一隻で次々と米艦艇を行動不能にしていく痛快さはハリウッド的エンターテイメントな感じで面白いと言えます。


あと、『ローレライ』のお楽しみは、『ガンダム』の富野由悠季や『エヴァ』の庵野秀明がちょこっと出てるってところじゃないかしら？
…と言っても、ぱっと見てそれがわかる人は相当なヲタクだけど
ちなみに僕は、富野さんはすぐわかったけど、庵野さんはわからなかったっす。




というわけで（どういうわけだ？）、ずっと『真夏のオリオン』のDVD（もしくはブルーレイ）を買おうかどうしようか迷っていたけど、アニメ＆特撮ヲタの心を揺さぶる要素も無く、せっかくの北川景子もちょっとしか出てない（しかも、あのモンペ姿はかなり萎える）ということもあって、あえてDVDを購入する必要もあるまいという結論に達したのでした。

タグ：真夏のオリオン ローレライ

コメント 4

試写会で『ローレライ』を何の事前情報も無く見た時に、始めはなんじゃこれ？って感じで途中で思考を変えて楽しむことが出来ました。
まさにアニメのごった煮と思ったのでした。
by noriho- (2010-08-24 21:25) 

お盆時期になると戦争映画の放映が増えますよね〜
戦争を風化させない為にも良い事だと思います。

元自衛隊陸軍特殊部隊のバイク仲間に聞いた話ですが、
特殊部隊の訓練はそれはもう凄いらしいですね〜
何かヘマをすると「きさま！　それでも帝国軍人か！！」と怒鳴られ鉄拳が。。。
by イナテツ (2010-08-25 08:39) 

『ローレライ』の原作の福井さんは大のガンダムファンですし、監督の樋口さんは平成ガメラの監督で有名ですので、アニヲタ特撮ヲタの望む事をガッチリ掴んでますからね。　＞noriho-さん
by よっすぃ〜と (2010-08-25 09:13) 

『男たちの大和』で体罰の描写がありますが、ヒステリックな状況では過剰なまでの体罰やいじめなども起こるようですね。

ちなみに、僕の中学の時の技術科の２人の先生は帝国陸軍出身と帝国空軍出身でしたが、陸軍の方が厳しかったと言うこともあって非常に恐い先生でした（笑）　＞イナテツさん
by よっすぃ〜と (2010-08-25 09:22)